性格タイプ 020反社会性 20シーン4.クレーム無視のAの大胆商法と出世術
シーン4.クレーム無視のAの大胆商法と出世術
Aの直属の上司は西地区担当のC主任である。
C主任の悩みの他の一つは、Aの営業成績は抜群なのだが、契約が取れた後の
お客様からのクレームもまた多いということであった。そして、クレームの電話
が来るたびに対応するのは会社詰めの多いC主任の役目となるのである。
クレームの内容を聞くと、Aはどうやら商品のネガティブな面や契約上の注意
事項などに関してほとんど説明をしていない様子がうかがわれる。
「おたくの営業員さんは、うまい話ばっかり並べて・・・」とあるクレームでは
言われた。その都度Aを呼び出して営業マニュアルを示しては「ここのところも
最初にお客様によく説明しないとだめだよ」と諭すのだが、Aの方はお調子よく
「自分、それちゃんと説明したんですけどね。お客さんの方が誤解したんじゃな
いかと思いますけど」「確かにこれでいいってこのお客さんは言ったんですけど
ね。それを後からどうこういわれちゃ、僕らも立場ないですよね」などと一切自
分の非を認めようとはしないのである。
いくら注意してもAが取ってきた契約は後からクレームが絶えないのだった。
それでもC主任はAに対してやんわりとしかものが言えないのだった。ルール軽
視
Aは、C主任の西地区チームに所属する3人の営業マンの中ではダントツに成
績が良いのだった。いや、西地区チームの中だけではなく、営業部全体の中でも
ズバ抜けていたと言って良い。そしてA以外の二人が典型的な「指示待ち族」で
どちらも並以下の成績なのである。Aに腐られてしまったらC主任の西地区担当
チームの全体の売り上げはガタッと落ち込んでしまう。こういうわけで、C主任
はAのとった契約の相手からクレームがきても、そのことを係長の方には知らせ
ずに自分のところで処理をしていた。威勢の良い係長はすっかりAと意気投合し
てるようであるが、C主任がAが契約を結んだお客様からクレームが多いことを
伝えれば、そのまま課長に報告するだろう。クレームに神経質な課長はおそらく
Aを呼びつけてしかりつけるはずである。そこでAにやる気をなくされたら自分
のチーム全体の成績としては目も当てられない落ち込みとなってしまう。