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矢幡洋の精神医学と心理学

学術的なことをかみ砕いたり、日常生活にお役に立てる知識まで幅広く扱います。これまで出した本の初期稿(出版されたものより情報量は多いです)や未発表原稿を連載しますので、何かしら新しい記事があります。本ブログは他にあり、読み切り本気記事はタイトル・サブタイトルが「|」の形で更新情報をお伝えします

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性格タイプ 023反社会性 23利用主義

利用主義

 さて、そうやって出かけてみたものの、新商品に対するお客様の反応はあまり

良くなかった。扱いなれない商品の説明に手間取り、Aにしては思ったように営

業活動ができないまま午後2時ごろになって腹を空かせていったん会社に戻るこ

とにした。

 Aは怒りで一杯だった。これも、先週のC主任の説明が悪かったからだ。いや、

こんな商品の開発する会社が悪い。会社の上の方がバカだからおれのような才能

あふれるセールスマンが苦労をするのだ、コネで差別はあるし、この会社は腐り

切っている・・・と心の中で悪態をつきながら会社に着いた。

午後2時過ぎに会社についた。遅い昼食を取ろうと社員食堂に向かった。そこ

でAは、F人事部長が社員食堂の隅っこの方でひとりで食事をとっていることに

気がついた。普通は、社員食堂に姿を見せることなどまずない人である。おそら

く接待か会議の予定がずれ込んで次の予定に間に合わせるために1番早く食事を

取れるところで急いで済ませようとしてるのだろう。

 Aは、この会社には人事部長派と営業部長派の2大派閥があって、人数は人事

部長派の方が多いらしい、ということを聞いていた。「部長!」と自分が注文し

たキツネそばが入っているトレイを両手に抱えてF人事部長の目の前の席に駆け

込んだ。

「お食事中、お騒がせします。本当は、ヒラが話しかけたりしちゃいけないんで

すよね」

「そんなに難しく考えてもらわんでいいよ」

 F人事部長は急いでいるらしくAの方にはちらりと一瞥しただけで食べるス

ピードを緩めなかった。