性格タイプ 015反社会性 15悪意のある目で見ている
悪意のある目で見ている
Aの話題は営業先の話題が多い。同じ会社のことだしお客様へのコメントが面
白いものだからそれはそれで面白いのだが、Aのコメントは「今日のお相手は、
もうボケ出ちゃってるジジイでよう・・・おんなじこと2回説明しなきゃ呑み込
めなくてさ。ありゃ、脳みそ溶けてるなって俺は思ったよ。まぁ、こっちの話し
さえ飲み込せたら簡単に落っこちたけどな」「今日はオバハンの相手だったんだ
けれどもさ、ガキが3人いて余裕がないとかいいながら、家の中でパールだがな
んだかの指輪をはめてやがるんだ。俺は、ははあ、ガキの教育費を切りつめて小
金を溜め込んでやがるな、とすぐにわかったね」などというの言葉に、Aがお客
様に対して誠意がなく、相手を悪意のある目で見ている対象を貶めるのだ、とい
うことにもっと早く気がつくべきであった。だが、すっかり恋心に舞い上がって
いるB子は結婚ドリームにはまってゆくばかり。「恋は盲目」という古い言い回
しがぴったりのB子。
同期のE子にだけは黙っていられなくなって、「実は、Aさんと付き合ってる
んだ。」と自慢まじりに言った。E子はちょっとびっくりしたような顔をしてし
ばらく沈黙してから「なんとなく、やばくない?あの人。なんかよくわからない
けど、男の人たちの間じゃあんまり受けがよくないみたいだよ。直感なんだけど
さ、私もちょこっと立ち話したことあるんだけど、なんか油断ならん奴って感じ
で安心してしゃべれなかった。まぁ、あんたの方がもうよく知っているはずだか
らどうこう言う気は無いけど」
B子は「やいてるんでしょ」と思っただけで、E子のコメントはほとんど耳に
入らなかった。
B子は焦り始めていた。二人は勤務時間中の短いドライブを繰り返しているだ
け。Aはとっくのとうに運転しながらB子の太股に手を伸ばしたり、B子を車か
らおろす間際にぱっと口づけしたりということは早々とやっていたが、二人の仲
はそれ以上にはなかなか進展しない。たぶん、勤務が終わった後でも仕事のこと
でデートなんかする時間が取れないのだろう、とB子は思うのだが、実は、Aは
勤務が終わったら終わったで他の女性との付き合いで忙しいだけなのである誠意
なし。