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矢幡洋の精神医学と心理学

学術的なことをかみ砕いたり、日常生活にお役に立てる知識まで幅広く扱います。これまで出した本の初期稿(出版されたものより情報量は多いです)や未発表原稿を連載しますので、何かしら新しい記事があります。本ブログは他にあり、読み切り本気記事はタイトル・サブタイトルが「|」の形で更新情報をお伝えします

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性格タイプ 011反社会性 11超自立的人間

超自立的人間

 通常の養育環境においては、子供の行動に対して親は何らかの反応をします。

それによって、子供の行動はしばしば制約を受けることになります。無関心に放

っておかれるままにされた子供は、何をしようとも親が反応せず、従ってその行

動に制限が加えられることはありません。彼らは、自分の判断だけで好き勝手に

行動することを結果的には強要されるようになります。こうして彼らは、好き勝

手に暴走し、世界の中を自由に探索し、「他人の好意などを待っていても無駄な

ことだ。欲しいものがあれば、自分から進んで行動するしか手に入れる方法は無

いのさ」という感情を確固とさせるようになってゆきます。彼らの行動パターン

は、自分に対して何も与えてくれようとしない世界に対して世界から何かを自力

で奪い取るという非常に略奪的なものとなります。

 いわば彼らは超自立的人間と言っても良いでしょう。「自立」という言葉を使

いましたが、プラスの意味では言っていません。また、「依存」という言葉も別

に否定的な意味で使っているわけではありません。「他人に依存する」という行

為の背景には「相手は、自分に対してプラスのことをしてくれる、悪いようには

しない」という他人に対する信頼感があります。もちろん、これも程度問題です。

依存的すぎる人というのは、「他人は自分に対して必ず良いようにしてくれるも

のだ」という甘えた考えを持ってしまい、他人の機嫌をとるように卑屈に振る舞

うだけで自分からは何もしようとしない甘えん坊となります。だが、逆の方向に

ついてもやはり程度問題なのです。超自立的な人たちとは他人が自分に何かをし

てくれるなどと全く信じていない人たちなのです。「誰も、自分のために何かし

てくれるはずはない」「誰も俺のことを思って俺のために何か好意的なことをし

てくれる人がいるわけがない」と考えています。このために、彼らは「何でも自

分から動いて欲しいものを手に入れなければ」と考えるのです。すなわち、一切

他人をあてにしない超自立的な人間というのは、実はその背後に一瞬の人間不信

があるのです。Aが自力で何でも探求する子供だったということも、手放しで評

価できるものではないのです。