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矢幡洋の精神医学と心理学

学術的なことをかみ砕いたり、日常生活にお役に立てる知識まで幅広く扱います。これまで出した本の初期稿(出版されたものより情報量は多いです)や未発表原稿を連載しますので、何かしら新しい記事があります。本ブログは他にあり、読み切り本気記事はタイトル・サブタイトルが「|」の形で更新情報をお伝えします

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もし元不登校児の娘が自閉症だったら
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性格タイプ 008反社会性 08早い段階から反抗グループに

早い段階から反抗グループに

 結局、Aは大した躾らしい躾も受けずに成長していった。母親からは時々父親

の悪口を聞かされた。また、その後もいい年をしても遊び癖がおさまらない父親

は家庭にいることがめったになく、Aは父親と交流らしい交流をした経験がない

ままに育った。Aが父親から言われたことで覚えているのは、「お前が生まれた

せいで、オレは出世できなかった。バリバリ1番仕事しなければならない時に、

お前の教育に時間を取られたからだ」と何度か言われた程度のことであった。だ

が、子供心にもそれは嘘だと見ぬいていた。父親は最初から父親にかまってもら

った経験など全く記憶に残っていなかったからである。

 小学校の中学年ごろからしだいにAには反抗的な態度が目立つようになってき

た。彼は「オレたちは、落ちこぼれ」と思っているようなグループに所属してい

た。同年輩グループがモデルに中学校、高校と学校の成績はさっぱりだった。

 一貫してAは「オレたちは、落ちこぼれ」と思っているグループに入っていた。

不良グループと言うわけではなかった。彼らは、「ワル」「反抗的」というよう

なイメージを売り物にしたロックバンドに夢中になり、学校の先生たちから嫌わ

れるような髪型をした。学校から出れば、彼らの好きなバンドをまねた格好で街

をのし歩いた。Aの所属する友人グループはみんな成績が悪く、皆「このままで

は自分たちの人生にはいいことなど何一つ待っていない」と信じていた。とにか

く「学歴社会」という巨大な不公平があって、成績の悪い自分たちには見劣りす

る未来しか待っていないと思っていた。社会への不信感

 Aの属するグループは、ロックバンドとしてデビューすることを夢見ていた。

「まともに働いたって、ろくな仕事にありつけるわけがない」と思い込んでいた

彼らは、不良ぽさを売り物にするロックバンドとしてデビューすることによって

彼らの未来を取り変えようと考えていた。かといって、本格的な音楽の練習をし

たわけでもなく、ギターの練習をして憧れのロックグループの真似をした曲を作

ってみたりした程度ではあったが。それでも、彼らが本格的な非行に走らなかっ

たのは、ミュージシャンへの夢があったからだった。